ブッシュ王朝の確立者ジョージ・H・W・ブッシュ

80歳でスカイダイビング！

こんなニュースが世界のマスコミを駆け巡ったのが2004年。
80歳の誕生日にスカイダイビングを敢行したのは、元アメリカ合衆国大統領ジョージ・H・W・ブッシュ。
ブッシュ王朝の確立者だ。

ジョージ・H・W・ブッシュはエリート中のエリートだった。
父親が連邦上院議員であるエスタブリッシュメントの家庭に生まれ育ったわけだが、エール大学は首席で卒業している。親のコネではなく、自分の実力で上に行った人物だ。
それも単なるがり勉ではなく、スポーツにも秀でていた。

卒業後はテキサスに向かい、石油ビジネスに乗り出した。そこでも大成功した。

もう1つ付け加えておくと、エール大学に入学する前に、18歳で第二次世界大戦の海軍パイロットになっている。太平洋戦争に従事している。

世の中、こんなやつもいるもんなんだな、という感じがする。

政治の道に入ってからは、共和党のエリートとして、米中国交正常化前の実質的な駐中国大使や、CIA長官を務めた。
まさしくエリート中のエリート。

けれど、心配なく。天はそこまで人間に甘くはない。

1980年の大統領選挙、勝ったのはロナルド・レーガンだ。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にも出てくるように、レーガンは単なる映画俳優だった。（ただし、俳優労働組合の代表は務めている。）
超正統派のエリートであるジョージ・H・W・ブッシュは、映画俳優レーガンに勝てなかったのだ。

レーガンの副大統領を8年間務めたけれど、その当時、「副大統領職は何も権限のないポストだ」と囁かれていた。

レーガン退任時の1988年の大統領選挙で、当時のアメリカ世論では絶対に共和党が勝利するという状況下で、第41代アメリカ合衆国大統領に当選した。

1991年の湾岸戦争ではサダム・フセイン率いるイラクに完勝し、国内での大統領支持率は90%にも昇ったのに、1992年の大統領選挙ではビル・クリントンに敗れた。

まあ、世の中こんなもんだ。

ちなみに、ジョージ・H・W・ブッシュは、85歳と90歳の誕生日にもスカイダイビングを成功させている。