高級キーボードの2大勢力

高級キーボードの双璧は東プレのREALFORCE(リアルフォース)シリーズとFILCOのMajestouch(マジェスタッチ)シリーズになります。

どちらも価格は1万円以上して、日常用途でパソコンを使っているだけの人にはお値段が高価すぎるかもしれませんが、業務上での使用など、効率を追求する方には必須のアイテムです。

今回、REALFORCE製品とMajestouch製品を直接比較する機会があったので、商品レビューをしておきます。将来の自分自身のためのメモにもなると思っています。

高級キーボード購入の経緯

私が初めて「高級キーボード」を購入したのは、2年前でした。それ以前は、さすがに1万円超のキーボードはお値段が張りすぎていると思っていました。

マウスは1万円程度のものを使用していましたが、キーボードにそこまでの投資をする必要はないと考えていました。

<<<マウスはこれがお勧め。>>>

当時私が使用していたキーボードは、購入したHPのパソコン、TouchSmart 520PCに当初から付属していたキーボードでした。市販パソコンのキーボードとしては、低級レベルではないとは感じられる代物でした。

以前に1度値段を確認したことがあるのですが、記憶ではその時のキーボード単体での価格は4,000円~5,000円だったと思います。実売価格だったかどうかはよく憶えていません。ただし、日常用途でパソコンを使用する一般の方が多く利用していると考えられる、パソコン付属のキーボードや、単体で購入する売れ筋のキーボードよりは高い価格設定になっていました。

そういう状況だったのですが、2年前に、パソコン利用時の能率の問題を考慮して、一念発起して高級キーボードに手を出してみました。

現状では、マニアかよっぽど専門の職業用途の方でもなければ、そのクラスのキーボードは、東プレのREALFORCE(リアルフォース)シリーズかFILCOのMajestouch(マジェスタッチ)シリーズになります。日本語使用できる、テンキー付きの通常型キーボードではこの2種しかないように思いました。

Happy Hacking Keyboard

PFUのHappy Hacking Keyboard(ハッピーハッキングキーボード)という製品があって、日本人が発明した素晴らしいキーボードとのことです(私自身は日本製品や日本人を特別視することはありません)。しかし、テンキーもないし、ファンクションキーもないし、普通にパソコンを使いたい人には随分と不便な、変わったキーボードのように思えたので、最初から検討の対象外にしました。

Happy Hacking Keyboard Professional BT 日本語配列 かな無刻印モデル

 

 

プレ REALFORCE 108UBK / 変荷重キーボード / 静電容量無接点

結局このときは、あまりよくわからないままに、REALFORCEの方に軍配をあげました。

実店舗に出かけて直接自分で比較するまでの面倒はとらず、メーカーの製品サイトや販売プラットフォーム上のレビューなど、もっぱらウェブ上の情報だけで比較検討しました。

 

 

購入商品は、東プレ REALFORCE 108UBK / 変荷重キーボード / 静電容量無接点 / 108キー / USB SJ08B0 で、当時は16,000円ほどで購入しています。本記事作成の2017年8月時点では、18,000円ほどになっています。

 

 

REALFORCEシリーズは、メーカーの説明では、以下のようになっています。

キーボード(REALFORCE)

静電容量無接点方式を採用、疲れにくく耐久性に富む。

人間工学を考慮した東プレのキーボードは、入力時の静かさや抜群のキータッチ感を実現。また、長時間の使用でも疲れにくく耐久性にも優れているため、金融機関の業務用、計算センターでのデータ入力用、流通、交通、医療、放送機器向けなどの各種入力専用機として、さまざまなお客様にご利用いただいております。
REALFORCEシリーズのキーボードには、OEM生産で高い評価を得ている業務用キーボードと同じ静電容量無接点方式が採用されています。

メーカーの説明によると、荷重つまり「キーを押す重さ」が軽いほど、指への負担が少なく疲れにくくなるとのことです。REALFORCEシリーズは基準荷重が45gで、荷重が30gの製品もあるとのことです。私が購入した時期には、もっと重い荷重のキーボードも販売されていると記載されていたように記憶しています。

現状では、メーカーサイトの記載はこうなっています。

主要部が45gで小指入力するキーの一部は30gになっています。
(Sは全キー30gです。)

初めての製品購入時にはよくわからなかったので、メーカーが推奨している「変荷重」タイプの製品にしました。これはすべてのキーの過重が等しいわけではなく、キーボードの主要部(中央部)のキーは45gにして、端の方の小指で打つようなキーは30gなどの軽い荷重にする設定とのことです。その方が打ちやすいと説明されています。

ただし、これは現在のメーカーサイト表記であって、私が購入した製品は、キーの荷重は30g、45g、55gの組み合わせになっています。製品仕様が変更されているようです。

もう戻れない

製品を購入して、実際に使用した印象としては、キーの感覚は私の実感としては重いものでした。全般的に押し込みにくく、キーを押し込むのに若干力がいる、という感じがしていました。

「こんなキーボード、1万5千円以上する価値があるのだろうか?」と思ってしまったのが、当初の感想です。

その後ずっとそのキーボードを使用していたのですが、その間、印象の変化等は特にありませんでした。

しかし、今回そのキーボードが壊れてしまい、新たなキーボードを購入するまでの数日間、以前に使用していた前述のHPパソコン付属のキーボードを使用したですが、その時に現実がわかりました。

「なんて打ちにくいんだ!」

かつて使用していたHPのキーボードは、この2年間使用していた高級キーボード、東プレ REALFORCE と比較したときに、とてつもなく使いにくいキーボードでした。

まったく感覚が違いました。キー入力のスピードも遅くなります。「これはもはや安いキーボードには戻れない」というのが現実でした。

高級キーボードは値段は張りますが、その程度には価値があります。

私はもう高級キーボードしか使いません。

REALFORCE製品のマイナス点

東プレ REALFORCE 製品を使用していた時期には、「ちょっとキーが固いかな」と感じる程度で、全般的には問題なく利用していました。しかし、若干気になった点はありました。

キートップの上面には「T」とか「Y」といったアルファベットが記載されていますが(「か」「ん」などの日本語表記はありませんでした)、使用開始後数か月で、この文字が消えかけていきました。2年は十分持ちましたけれど、一時は焦りました。

また、無線キーボードではなく、有線キーボードになるので、パソコンとつなぐケーブルが若干邪魔かな、とは思いました。

しかし、ケーブルの物理的な面も、無線接続でないことも、自宅の据付型パソコンで使用している限りにおいては問題ならないことが、実感としてわかりました。

2年もたない

しかし、最大の問題点は、この製品が2年もたなかったことです。

購入後1年9か月前後経過した時期に、Enterキーだけ何か調子がおかしくなりました。キーを押しても、反応しにくくになり、パソコンにキーボード入力しようとしても入力できなくなっていきました。

キートップを外して掃除をしたり、ちょっとした工夫をしたりして騙しだまし使っていたのですが、その間も症状は次第に悪化し、ついに購入後1年11か月の時点でまったく反応しなくなりました。

そうなったらもうキーボードとして使えないので、16,000円のキーボードがパーです。

5年以上は優にもつものと思って高額のキーボードを購入したのに、ものすごく悲しい思いになりました。

1日の使用時間の問題とか、キー入力の押しの荒さの問題とか、事情はいろいろあるのかもしれません。「2年ぐらいが寿命」という実態もあるのかもしれませんが、この時はショックでした。

メーカーに問い合わせてみたところ、メーカーサイトに記載されていたとおり、「水分絡みの不具合でなければ」通常のオーバーフォールで直るだろうという前提で、料金は8,000円(税抜)でした。

それでも新品購入よりは安いから、オーバーホールで新品同様にする選択肢もあり得たのですが、今回は別の高級キーボードも試しておいた方が得だろうと思えたので、修理に出すのはやめておきました。

なお、今回はEnterキーが反応しなくなっていたのですが、じっくりと確認すると、Spaceキーも押した感覚はスカスカになっていました。そのうち反応しなくなったでしょう。

単純に、よく使用するキーが早く壊れたというだけの事情だと思われます。

東プレ REALFORCE108UBK

FILCO Majestouch Convertible 2 赤軸・日本語モデル(ブラック)

そして、今回はFILCOのMajestouchシリーズのキーボードを購入しました。

Majestouch Convertible 2 赤軸・日本語モデル(ブラック) FKBC108MRL/JB2 という製品にしました。実売価格は12,000円程度です。

Majestouchシリーズの場合、キーの荷重によって、赤軸、茶軸、青軸、黒軸の4系統に分かれています。

以下はメーカーサイトの記載です。

MX赤軸 クリック感:なし/押下圧:約45g ±15g
キーを押し下げるほどスイッチが重くなっていくリニアストロークタイプ。滑らかな軽いキータッチでさくさく入力できます。静かにタイピングしたい方にも人気のスイッチです。

★こんな方に…長時間入力される方、軽いキータッチがお好みの方

MX茶軸 クリック感:あり/押下圧:約45g ±20g
接点部にごくわずかにソフトな感触があるタクタイルタイプ。軽快な入力感が楽しめます。スタンダードなタイプなので初心者から上級者まで幅広い層に人気のあるスイッチです。

★こんな方に…メカニカルキーボード初心者

MX青軸 クリック感:あり/押下圧:約50g ±15g
接点部にはっきりとした感触があり、カチッと高い音がなるため、メカニカルらしい爽快な入力が実感できます。特にゲームユーザーに人気の高いスイッチです。

★こんな方に…ゲームユーザー、明確な入力感が欲しい方

MX黒軸 クリック感:なし/押下圧:約60g ±20g
赤軸と同様クリック感のないリニアストロークタイプ。重いバネ圧を利用した高い反発力が指に心地よく、キーの戻りも速いので高速で長文を入力する方やゲーミングにもオススメです。

★こんな方に…文字入力の多い方、ゲームユーザー

赤軸が1番軽そうなので、赤軸にしました。

型番:FKBC108MRL/JB2 商品名:Majestouch Convertible 2 赤軸・フルサイズ・日本語かなあり

Majestouch Convertible 2製品のメリット

Majestouchの赤軸キーボードは、これまで使用していたREALFORCEの変荷重キーボードよりも、ずいぶんと軽く感じます。これだと入力しやすいと感じています。

商品レビューでは、Majestouch製品はREALFORCE製品よりも音がうるさいという声がありました。

私自身が使用した感覚からは、確かに若干音は大きくなったのですが、自分の部屋で1人で使用しているという状況の下では、特に問題はありませんでした。部屋の外には音は漏れていないと思います。

ただし、赤軸は静音の製品ですが、他の色軸製品の場合は打鍵音がもっとうるさくなるとの説明です。

このキーボードは、動力を電池にして、無線キーボードにすることが可能な仕様です。しかし、電池切れの方が面倒くさくなりそうなので、私は有線でパソコンに接続して使用しています。

有線であることそのものは、東プレ REALFORCEと同様、問題にはなりません。

他のパソコンやタブレット、スマートフォンにも入力可能

このFILCO Majestouch Convertible 2 赤軸・日本語モデル製品でいたく感動したことがありました。

「4台のPC・デバイスとペアリング可能」という機能です。

私はこのキーボードを、メインのパソコンに対しては有線で接続しています。普段はキーボードを押すと、そのパソコンの画面上の入力欄に文字が入力されていきます。

しかし、キーボード上の簡単な切り替えで、別のパソコンやタブレット、スマートフォンへの入力も行えるのです。

私は持ち運びが可能な1kg程度のモバイルパソコンを使用していて、普段はメインのパソコンの隣に置いているのですが、このクラスのパソコンは付属キーボードでの入力がスムーズにいかないものです。ずいぶんと打ちにくいと思います。

ところが、Majestouch Convertible 2製品では、簡単な切り替えで、そちらのパソコンにも文字入力ができます。これはたいへん使い勝手がよい機能だと思いました。

スマートフォンなんかも、私は若い女性などが行っているあの高速スマホ入力ができないため、スマートフォンというのは本当に入力のしにくいデバイスだと常々思っていたのですが、このMajestouch Convertible 2製品なら、キーボードで直接入力できます。

それほど入力の機会があるわけではないのですが、この機能は本当に便利です。